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◇
ーー眩しい。
瞼の裏に感じる光に目を開けば、そこは見慣れぬ一室だった。
「小山さん、意識が戻りました!」
「あなた!」
横たわる僕の顔を覗き込む妻と看護師の姿。
「よかった……よかった……」
安堵の気持ちが溢れだした妻が涙ぐむ。
「ここは?」
狐につままれたような気がした僕は、僕の手を握る妻に問いかけた。
聞けば僕は、一週間前に倒れてからずっと昏睡状態だったらしい。おそらく仕事の二徹などが祟ったんだろうと、主治医からの説明も受けた。
つまり、悪夢を見続けたこの一週間は、どうやらそれ自体が夢だったようだ。
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