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「知らなくていい」
サラリと言われ心をナイフでえぐられたような気持ちになる。
「どうして知らなくていいの?」
声が震えなかっただろうか?今のショックを受けている自分を知られたくなくて、私はなんとか言葉を発した。
「咲良、今日はどうしたんだよ?」
そっと私に微笑みごまかすようにキスをされて、私はドンと誠真の胸を押した。
「私だったらなんでも許されるとでも思ってるの?」
今のキスで何かが壊れたような気がした。私は誠真が好きだったから、好きだからこそ、一緒にいられるだけでいいと思っていたが限界だった。
誠真は卒業したらこの大学からいなくなる。
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