赤い唇の女へ

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ふと、自分がとてつもなく小さく感じられ、嫌な気分になってしまった。 腕時計を見る。 少し、ソワソワしてみる。 話の途切れる合間を縫って 「そうですね。じゃあ・・・」 と言葉をはさむが、通じない。 バシバシの睫毛の奥の瞳は本当に閉じられてるのではないかと じっと覗きこんだりする。 人に押しつけられる話がこんなに苦痛なことだと知らなかった。 どうやって話を切り崩そう。 モヤモヤと心が曇る。 「とにかく、あたしの言うことに間違いはないから」 強く言い放たれ、ふと現実に引き戻された気がした。
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