第二話

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* 「またか。あんなものを見て、何が面白いというのだ」 「別に、面白いと思って見ているわけではありません。ただ、くだらないなと」 「ふっ、見くびっているのだな、あの一座を」 「紅彪林。あれは、顔が甘いだけの男ですね。芸の中身など、大したことはない。自分に酔っているという雰囲気が、ばればれだ」 「……ほう。なら、白藍はどうだ」 「やはり、芋虫の身体に綺麗な顔が付いただけでしょう」 「お前、なかなかに性悪だな」 「今更ですか」 「高延亮は?」 「いつか足を滑らせて、死ぬでしょうね」 「張引」 「それは、認めましょう。なかなかの熟練者と見えます」 「何様のつもりだ、お前は」 「あんなことをしながら、顔で稼いでいる。情けない奴らですよ。全員、妓楼に売られてしまえばいいのに」 「男も、か?」 「男色の野郎どもなら、ここには腐るほどいます」 「そっちの方が、売れるかもな」 「綺麗な顔をした奴らが、汚い男に貪られる。想像だけでも、悪くは無いです」  「……お前、自分の顔を見て……いや」 「今、何と?」 「何も。ああ、そういや、龍翠ってのはどうだ?」 「龍翠」 「そうだ」 「……化け物です、あれは」
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