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第十一話「のぼりりゅう」~二月 五夢の告解~
ここは数多町の東南の果て、迷宮通。
名前の通り迷路みたいに入り組んでいて、迷い込んだらそう簡単には出られない。昼でも夜でも薄暗いったらありゃしない。ぼろぼろの壁に貼りつけられた胡散くさい看板や広告。クセの強すぎる住人達。事故物件と名高い廃屋やあばら家がひしめいている様は圧巻だ。
ここ独特のあやしさが。汚さが。治安の悪さが。
不思議とボクの肌に合っているようで。
気付けば吸い寄せられるみたいにふらふらやってきてしまうのだ。
オカルト大好きなボクを、わくわくさせてくれるこの場所に。
数多町七十刈探偵舎
第十一話『のぼりりゅう』
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