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第十五話「わたのこころ」~呪いのぬいぐるみ~
ここは数多町の東南の果て――迷宮通。
朝も昼も薄暗い。夜には真っ暗闇になるという。地元の人さえ迂闊に寄りつかない。そんな所にふつうの人間は暮らせないともっぱら噂の一角だ。
その名の通り入り組んだ迷路のような細い路地。仄かな灯に照らされてゆらゆら追いかけてくるのは自分自身の長い影。時代の移ろいにも、今まさに重々しく垂れこめてくる鮮やかな夕焼けにすら、置いて行かれてしまった通りの、いちばん奥の奥――数多町迷宮通一番地。
そこに、『なぞ』が『なぞ』を呼ぶ探偵舎が在る。
薄ら闇に灯りひとつ点る――『七十刈探偵舎』。
今日もまた、新たな来客が『なぞ』を連れてやってくる。
数多町七十刈探偵舎
第十五話『わたのこころ』
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