衝動

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「…そうだったのか、あそこではそんなことが…」 「本当にありがとう! それだけ伝えたかったんだ。じゃあな、気を付けてな。」 ジャンは、晴れやかな微笑みを残し、町に向かって駆けて行った。 「まさか、俺のしたことを喜んでくれる人がいたなんて…」 『おおっ…!』 「ど、どうした?」 突然のエレスの叫びに、ジュリアンは驚く。 「あ…あぁ、何でもないんだ…」 「なんでもないって…」 『それがだな…』 「何があった?」 『……いや…なんでもない…』 「何がなんでもないだ! なんかあったんだろう! 言えよ!」 『…まぁ、落ち着け。 話すさ…そのうちにな…』 エレスは不敵に微笑む。 (あぁ、いいさ、勝手にしろ…) 小さな溜め息を吐きながら、ジュリアンは歩き始めた。 エレスがそのうち話すといったことはどんなことなのか…? これから、どんなことが起きるのか…? 石の精エレスとジュリアンの旅は、今、始まったばかり…  
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