10人が本棚に入れています
本棚に追加
「…そうだったのか、あそこではそんなことが…」
「本当にありがとう!
それだけ伝えたかったんだ。じゃあな、気を付けてな。」
ジャンは、晴れやかな微笑みを残し、町に向かって駆けて行った。
「まさか、俺のしたことを喜んでくれる人がいたなんて…」
『おおっ…!』
「ど、どうした?」
突然のエレスの叫びに、ジュリアンは驚く。
「あ…あぁ、何でもないんだ…」
「なんでもないって…」
『それがだな…』
「何があった?」
『……いや…なんでもない…』
「何がなんでもないだ!
なんかあったんだろう!
言えよ!」
『…まぁ、落ち着け。
話すさ…そのうちにな…』
エレスは不敵に微笑む。
(あぁ、いいさ、勝手にしろ…)
小さな溜め息を吐きながら、ジュリアンは歩き始めた。
エレスがそのうち話すといったことはどんなことなのか…?
これから、どんなことが起きるのか…?
石の精エレスとジュリアンの旅は、今、始まったばかり…
最初のコメントを投稿しよう!