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朝日町
僕らの住んでいる朝日町は大昔海の底で、掘ると貝の化石が沢山出てくる。
それがゴルフの練習場を作るとかで、機械で地面を掘ると
大きな生き物の化石が出て来たらしい。
これは、いったいなんだ?ということで
工事は一時中断されて、考古学の偉い先生が見に来たらしい。
僕らの町に恐竜がいたなんて、すごくワクワクしちゃうよ。
トオル君なんてずっとテンション上がりっぱなしだし
いつもは落ち着いているヒロシ君まで目が輝いている。
トオル君の家に集合した僕らは、早速その話になったんだ。
「昔の人たちは、その大きな生き物に襲われたりしなかったのかな・・。」
トオル君は少し怖そうに言うと、ヒロシ君が笑顔で言った。
「この辺りに集落があったのは16000年くらい前だろう?
恐竜が闊歩していたのは6600万年くらい前だから、全く昔の事だよ。
その人たちにも、ドラゴン伝説はあったかもしれないけどね。」
「ドラゴン!」
僕とトオル君が同時に叫んだ。
「すごいなぁ。カッコいいよなぁ。」
トオル君の弟のアキオ君も、目をキラキラさせて話を聞いている。
幼稚園の頃から五年生の今までずっと仲良しだった僕らには、
二年生のアキオ君は三人の弟みたいなものだ。
「日曜日に、集落のあった遺跡に行ってみない?
恐竜の正体が解かるかもしれないよ!」
僕が言うと、二人とも「よし!」とすぐに賛同してくれた。
「僕も!」アキオ君も手を挙げた。
「勿論いいさ!」
ヒロシ君が笑って、アキオ君の頭をクシャクシャとした。
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