怪談「赤い光」

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怪談「赤い光」

怪談「赤い光」① いつの間にか日が暮れていた。 真っ暗な空と海を見詰め、夜の帳を待つ。 薄紫から暗闇に変わった夜空を見上げると、月とオリオン座が。 星座の撮影を試みたが、光量が足りなくて、カメラアプリでは撮影できなかった。 せめて記憶に、この星座の光を焼き付けよう。 待っている間、タブレットpcで月夜に合った曲を視聴する。 優しい曲に、混ざる波音。 水平線と夜空の境目は無い。 徐々に近付く、遠くの明かりが一つ。 レモン色の光が、波打ち際をゆらりゆらりと。 微かに、明滅する赤い光も見える。 僅かに上下に揺らぐ赤い光は波の動きに思えた。 こんな夜中に、誰かが泳いでるのだろうか。 ふと、ある噂を思い出して、身震いした。 身を守ろうとする本能で、こちらの存在を覚られぬようタブレットpcの明かりを消す。
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