怪談「赤い光」

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怪談「赤い光」③ 今居る海岸が、その噂の海岸だと仄聞していた。 ――あの赤い光は、タバコ好きの釣り人の霊かもしれない。 獣の咆哮がした。 驚いて走って逃げた。 ライトアップされた防風林まで来ると、気が落ち着いた。 振り向いて赤い光との距離を確認する。 見えない。 咆哮を上げる赤い光との距離がわからず、少し怖くなった。 海岸の駐輪場に戻り、慌てて自転車に跨ると、近くのコンビニへ避難した。 イートインに座り、ドリップコーヒーを飲んで少し落ち着く。 冷静に考えると、あれは夜釣りに来ていた釣り人だ。 テレビなどで見たことあるが、レモン色の光はヘッドライト。 懐中電灯を手に持たなくても、釣り具の作業が可能だからだ。 赤いライトについては、やはり目印のライトだろう。 逃げる際に振り向いたら赤い光は消えていた。ライトアップの明かりが届く範囲に、僕が逃げ込んだから、向こうからも此方の姿が見えた。そして、走って逃げて行く私の姿を見て、「自分達のライトが相手を驚かせてしまった」と気付きレモンと赤の灯りを消した。
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