めぐる季節の向こうに
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「はーるぅ、入るぞぉ」 少し乱暴な足音と共に、今夜もその声が聞こえてくる。 静まり返ったこの家には似合わない、低くて大きな声。 「お帰り、ナツ」 私の声にほんの一瞬間をあけてから、ナツが部屋に入ってくる。 いつもドアは開けっ放しなのに、私の部屋に入る前、ナツは必ずそうするのだ。
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