わたしの自叙伝

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あなたは風俗のお仕事をどう思いますか? 汚い仕事、お金のため、性病、女のクズなど様々な偏見を持たれるかと思います。冒頭から風俗という言葉が飛び込んできて嫌だなと思う方は読まないことをおすすめします。生々しく過激な表現、リアルなプレイを描いているので気分を害する方は読むのをお控えいただきたい。  この話は私の実体験をそのまま小説にしたものです。物語にして描くことにより心の中に潜めていた過去を吐き出すことで背負ってきた荷物を下ろそうと筆を執ることにしました。 私、高崎玲奈は20歳から26歳までの6年間風俗嬢として働いた。セクキャバ、ホテヘル、デリヘル、料亭、ソープランド(本番なし)など転々とし数多くの男性に性的サービスを提供した。色んな男に抱かれ様々な風俗店を渡り歩き心身ともに汚れていき風俗嬢として染まっていった。来る客は初めて風俗で初体験をする子や経験豊富なお爺さんまで多種多様だ。 ジジイになっても性欲は変わらないのは男ってホント凄いなって思う。 その、欲求を性犯罪にもっていかないように風俗の仕事がある。 昔から売春婦という仕事があったが、今の現代社会においても警察は風営法に違反させしていなければ摘発はしない。男にとっては無くてはならない場所だ。 私は風俗業界で働いたことを犯罪を犯したと思っている。「犯罪を犯した」という言葉を使うのは大事に今まで育ててくれた両親へ謝罪の気持ちを込め、自分を戒めるためそんな表現をしている。 決して風俗で働く女の子を批判しているわけではない。風俗で働くと決める覚悟はそう容易なことではない。シングルマザーで貧困となり生活が困窮して手を出したり、奨学金を借りたが払えず学費を払うため働いたり、ホストクラブに通うため、服やアクセサリーを買いあさり自分に投資する子。お金の使い方は人それぞれ だ。 女性は体を売り物とするということを簡単に決めているわけではない。 働いている時には孤独感や絶望感、自暴自棄 になったり色んなことが付き纏って襲ってくる。 だが、そんな感情を消し去ってくれる時がある。それはお客に身体を抱きしめて貰ったり愛情を感じている時だ。その瞬間はそういう感情がなくなる。自分が生きていられるのは誰かに抱かれ温もりを感じている時。その温もり愛情がその場限りなことと分かっていたが、温もりを感じると「救われている」とそんな錯覚に囚われていた。 今わたしは自分の忌々しい過去を罪を償うかのように生きている。このままずっと墓場まで持っていき誰にも公言しないと口を閉ざしていた。だが、これが心残りとなり死にたくても死にきれなくなってしまいそうで怖い。 なのでこの機会に吐露し過去と決別するつもりだ。そして、新たな一歩踏み出す糸口となればと願っている。 今は足を洗って普通の生活をしているが、たまに記憶がフラッシュバックして過去に戻される。それは自分の忌々しい過去を忘れさせないように意図的に自分自身がそうさせているのだろう。 過去は過去。今は今。今をどう生きるか。
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