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お母さんの思い
私は、きっと取り返しのないことを、子供にしていると思う。
なぜなら、毎日毎日暴力をふるっているから。
悩んで悩んで一生懸命付けた名前も、もうしばらくは口にしていない。
あの子にはしっかり、夢野詩亜って名前があるのに。
詩亜は、私のことどう思っているのかしら。
ひどい母親、かしら。
もしかすると、死んでほしいと思っているのかも。
ただ、そう思われていても仕方がない。
だって、それほどひどいことを私は詩亜にしてきたから。
詩亜は何も悪いことをしていないのに、暴力をふるわれて、私はしようとも思っていないのに、暴力をふるってしまう。
……それもいいわけ、かな。
だって、私の意思でしていることには、変わりないんだから。
何でこんなことしちゃっているのか、それはたぶん、詩亜がまだ赤ちゃんの時。
子育てに慣れていなかった私は、嫌気がさして詩亜に暴力をふるった。
その時のストレスが引いていく感覚が、私を暴力に取りつかせたのだろう。
いけないことだと分かっているのに、やめられない、とめられない。
こんな私が、嫌で嫌で仕方がない。
詩亜は今、どんな気持ちで、過ごしているのかしら。
そう言えば、詩亜の友達が最近自殺したって聞いたわ。
それも、虐待、だったとか。
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