chapter1  それぞれの絶望

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ふと時計を見た。 午前1時10分。 時計の下の布団で、凛がスーピーと(いびき)をかきながら寝ている。いつもの娘の可愛らしい寝顔を見て、少しだけ心を落ち着かせた。 沙那は掲示板からチャットの方に移動し、いくつかの部屋から『カノープス』の管理するルームへと導かれた。 そこでいつものチャットとは違和感を感じながらも、選択肢のハンドルネームの中から『カペラ』に決めた。 沙那は星の知識などまるでなく、『カペラ』が星であることすら知らなかったが、今は無性に誰かと話したい気分だったので、『カノープス』の案内文通りあと2名の入室を待つのであった。 残り2人。
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