chapter1  それぞれの絶望

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俺はポカンとして思わず首をかしげた。 意味がわからなかった。 以前はあんな案内文など出なかったし、ハンドルネームは自分で自由に決めれたはずだ。 誰かのイタズラなのだろうか? 羅列された候補名には若干聞き覚えがある。 確か昔理科で習った、星の名前にあったような…。 まあ何でもいい。とにかく今は誰かと話がしたい。 俺は最初の候補にあった、何となく響きが気に入った『プロキオン』を選んだ。 「ようこそ、『プロキオン』様」 またチャット上に案内文が出る。 「この部屋の定員は私を含め7人です。あと定員まで5 人お待ち下さい」 『カノープス』と名乗る管理人が書いているのだろうか、一方的とも取れる会話で俺に説明してくる。 俺は少々イライラしながらも、このいつもと違うチャット部屋から退室せずに少し待ってみることにした。 残り5人。
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