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2021年1月8日、午後0時45分。
東京は相変わらず寒かったが、きれいに晴れた青空が広がっていた。
今日は約束した通り、陽真莉のカウンセリングに同席する。
最寄り駅で待ち合わせた後、俺は彼女に案内され、病院のカウンセリングルームに入った。
「失礼します」
部屋に入ると、40代半ばくらいのメガネをかけた男性が笑顔で立っていた。
「おや?陽真莉さん。彼は?」
「正木先生。紹介します。私のパートナーの神原竜樹さんです」
名前を呼ばれると、俺も少し緊張して挨拶した。
「はじめまして、神原竜樹と言います。陽真莉さんとは『シャウトボイス』のチャットで知り合いました。意気投合して、今日からお付き合いすることになりました。よろしくお願いします」
2日以来、『TSUDOI』で毎日やり取りをしていたが、2人で会うのは今日が初めて。お互いに今日を交際記念日に決めていた。
「それはそれは。おめでたいことだ。実は陽真莉さんは、以前からパートナー的存在がほしいと仰っていましてね。若くて好青年の方で、今後が私も楽しみです」
正木先生はそう言って、ニコリと笑った。
「そうなのか?」
俺が尋ねると、陽真莉は、
「もう先生ったら!恥ずかしいじゃない」
と、顔を赤らめた。
そうして陽真莉がいつもの話を先生としている間、俺もうんうんと聞いていた。
時間も終盤に差し掛かり、俺にも聞きたいことがあったので、先生に質問した。
「正木先生。僕、今働いてないんですけど、陽真莉さんと出会ってから就労意欲が出てきたんです。正社員として働きたいんです。でもうつ病を患ってて。何かいい方法はありませんか?」
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