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光秀は、空を明るく照らしながら燃える本能寺を見つめていた。
きっと、中ではもう──……。
「光秀様。本能寺の中は一掃致しました。織田信長様も中で命を絶たれたようです」
「あぁ……ご苦労だった」
光秀は本能寺から目を背けた。
まだ、やるべきことがある。
次は信長様の嫡男である信忠様を討たなければならない。これも、信長様の指示だった。
それが終わったら、来るであろう追手から全力で逃げる。
命が惜しいわけではない。
ただ、出来ることならば、この世の中が信長様が命を懸けてまで望んだ世の中になるのか見てみたい。
だから、出来るだけ逃げる。
光秀は馬に跨がり、家臣達に告げた。
「次は二条御所へ向かうぞ!」
「応っ!」
光秀は、信長の為に走り出した。
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