1 君と呼ぶひと

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「僕に何か用?」 用……っていうか……。 「瀬戸くんのことが知りたいなって。あ、恋愛的な意味じゃなくてね、人として」 ばっさりシャッターを下ろされてしまうとショックなので、その線引きは予め伝えておくことにした。 「……それはどうして?」 「どうしてって言われても……だめ?」 「いや。根に持たれてるのかと思って。昼間のアレ」 驚いて右隣の瀬戸くんの顔を見上げる。あ、きっと紘人より背が高い……。なんて、比べてしまった。 「根に持つなんて! ありがとうって思ってる」 「は? ドMなの?」 陰では氷の君主と呼ばれてる瀬戸くんの、そんなセリフに、思わず笑ってしまった。
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