300人が本棚に入れています
本棚に追加
「知ってるでしょう? 私が学校でどんな風に言われてるか。あんなふうに意見言ってくれたのは瀬戸くんだけなの。ちゃんと見てくれたってことでしょう? だからありがとう」
私の言葉に、瀬戸くんは一重の目を丸くしてから、またスタスタと歩き出した。
慌てて追いついて、半歩後ろを歩く。
「僕は人の噂には興味無いから」
「それは良かった。仲良くしてね」
「……変な人だな」
「ふふっ、瀬戸くんこそ」
瀬戸くんの呆れたようなため息に不思議と落ち着いて、私は久しぶりに自然に笑えていた。
最初のコメントを投稿しよう!