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「ストレートだなって」
「君がストレートだから自然とそうなる」
「お互い様だね。でも残念ながら、私はYouTuberは目指してないよ」
瀬戸くんは私の顔をみながら少し考えて、思いついたように口を開いた。
「……あ、歌手か」
「うーん。それも違うかな。今私に出来ることは、単純に歌かなあって。期限が来たら止めるしね。それまではとことんやるって決めたの」
「よく分かんないな」
「そう? 瀬戸くんこそ分からないよ。ね、このあと私楽器屋さんに行くの。一緒に行かない?」
「バイトだから無理」
「ふーん」
その嘘まだ続くの?
隣を盗み見ると、瀬戸くんはクールにツンとして、線路の向こうに並ぶ青々としたイチョウ並木を真っ直ぐに見つめていた。
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