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「お邪魔します」
瀬戸くんが玄関の鍵を使い始めた時点でお留守なんだと察したものの、一応挨拶した。
「誰もいないから、気楽にして」
「光太郎くんは?」
「ばあちゃんちで夕飯食べてくるって」
「そっか」
しんとした綺麗な玄関で脱いだ靴を揃える。瀬戸くんはリビングに入りすぐの階段から2階に上がり始めた。
普通なら、2人っきりになってしまう男子の家なんて絶対に入らないけど。
「君さ、僕だからいいけど……」
「うん、瀬戸くんの家以外簡単に入りません」
瀬戸くんは素っ気なく頷いた。私は不思議なほど瀬戸くんを信じ切ってる自分のことが、けっこう好き。
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