3 君と夢

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「まあ本当は……。父さんが、僕に気を遣ったんだと思う。それがなんか、な」 複雑そうな表情を浮かべた。 「もったいないね。じゃあここは私の部屋にしちゃおうかなぁ」 大きく伸びをして、瀬戸くんの方へ振り向いた。制服のスカートがふわっと靡いた。 「うん、そのつもり」 「……ん?」 いえいえ、私はもちろんふざけて言ったんだよ? 「ここを君のスタジオにする」 「……え?」 瀬戸くんは何でもなさそうに言いながら、糊付き壁紙の説明書きを読み始めた。
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