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嫌いなふりをした先輩へ
結局先輩には言えなかった。
今年の春に卒業した先輩。私が一年の時にこのサークルに入ってから、ずっと先輩を警戒してた。理由は何も難しくはない。私は男が嫌いで、先輩は男だったからだ。
明らかに避けたりする私に、先輩は上手く距離を取ったり気を遣ったりしていた。
腫れ物を扱うようにも見えなくはなかったけれども、私が困っているときには助けてくれたりもした。まともにお礼も言わない私を、よく見放さなかったものだと思う。
本当は卒業前にお世話になったお礼を言いたかった。でも、それは自分が自分に張った男嫌いというレッテルが許さなかった。
きっと誰も信じてはくれないのだろうけれども、ずっと前から先輩のことを信頼してたんだ。
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