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ぐふふふっ、これしかない!!
さてさて、どうにも寂しいとき、なにか無性に叫びたいとき、そのもわっとしたやつを改善させるために考えすることは人それぞれ違うだろう。
キラキラリアクションヴァンパイア王子こと、アルテミス・カペーの場合はこうだ。
彼は今ものすごく寂しさを感じていた。
葡萄が入った樽に頭を突っ込まれたくらいの息苦しさを感じていた。穴という穴を埋めてくる葡萄攻撃にあっているような気分だった。
鼻に入ったら最悪だ。後々いろいろ響く。それくらいの激震が走っていると言っていい。
「僕は面白くないッ!!」
「さようですか」
「だから、笑うことにする。ククククッ」
なぜ、面白くないのに笑うのか。まあ、その理由は彼が彼であるとしか言いようがないが、前向きなのは見て取れる。
「その笑い方はいけません」
「そうか。ならふふふっにしよう」
「その方がよろしいでしょう」
珍行動な主人に真面目な顔をして対応する執事のグレイも、また受け答えからしてどこか変だ。根本的に論点が違う気がするが、これが彼らの日常だ。
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