1度目の世界

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1度目の世界

なぁ、何時までも一緒だって言ったじゃねぇか。なのになんで…なんでだよっ!! 〜11年前〜 「この子達を…ですか?」 「「……」」 1人の20歳ぐらいの青年、菊を怯えるように見ている2人の5歳くらいの男の子達。その子達には狐の耳と尻尾がついていた 「政府からの要求だ。受け入れなくてはどうなるか分かっているだろう?そしてこの子達は世界を変えゆる力を持つ」 「世界を…」 「彼等はかの有名な伊集院一族の末裔、故に彼等に何かあればすぐさま殺されるかもしれない」 菊は怯えている子供達に"名前は?"と聞いた。すると子供達は怯えながらもこう言った 「ハヤ…」 「ユキ…」 「本名は隼人と雪人と言うそうだ。じゃあ隼人、雪人、このお兄さんの言う事をしっかり聞くんだよ?」 「おじさんとはおわかれ…?」 寂しそうに言う雪人に叔父は"大丈夫、またいつか会えるさ"といい頭を撫で2人の前から姿を消した 「私は菊と言います。よろしくお願いしますね、隼人くん、雪人くん」 「「うん…」」 「ここがきくさんのおうち?ひろーい!」 「ゆ、ユキ…、おじゃまします…」 慣れると分かってきたことなのだが隼人は内気な性格で雪人は子供らしいやんちゃな性格なのが分かってきた 「まだ何も揃えていないので買いに行きましょうか」 「おかいもの…?ぼく、いえにいる」 「えー、ハヤもいっしょにいこうよー?」 「だってぼくは”みこさま”だからおそとにでちゃだめだもん」 神子様…そう、隼人はこの国唯一の予知能力者。今であれば他にもいるのだろうがこの時代は明治時代、予知能力を持つもの、いや、異能を持つものが神として崇められてもおかしくはないのだ…。幼い子供でありながら予知能力があるが為に"全て"を知っている隼人。雪人にも能力があるが現時点では隼人以外誰も雪人が異能を持っている事を知らなかった… 「隼人くん、君は今は自由の身、外に出ても良いのですよ?」 「でも、ぼくはつねにほかのおくにのひとにねらわれてる。だからおそとにでちゃダメなの」 「ハヤはしんぱいしょーだからいけないっておじさんいってたけどほんとうにそうなんだよね」 「はぁ…わかりました。じゃあ何か1つ欲しい物を買ってきてあげますね。何がいいですか?」 「じゃあごほんがいい!いろんなひとのおはなしがみたい!」 「わかりました、買ってきますね」 幸せな時間だった…。あの日までは…
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