1度目の世界

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時が経ち2人は10歳になっていた。その頃から隼人は神子として予知をする事となり性格も口が悪くなっていった… 「ユキに会いたいな…」 「…神子様、兄君に会いたい気持ちはわかりますが貴方様は…」 「そんなことくらいわかってる。僕はこの国の飼い犬だ」 「神子様、その事はくれぐれも他の方には言わぬようお願いしますよ?」 当時隼人に仕えていたのは柊家の初代当主だった。隼人の新しい親代わりの人だ 「わかってるさ…」 ー雪人sideー 「菊さん、どうしてハヤには会えないの?」 「雪人君、言ったでしょう?隼人君は異能者、そして雪人君、君も…。隼人君は君を守る為に神子となったのだと」 雪人の能力、時を操り過去に遡行出来るという事はかなり政府にとって悪用されかねないところがあった。そして2人が揃うと世界を変えうることとなる事も…… 「わかってる…でも会いたいよ…」 菊は隼人から未来を聞かされていた。その未来では雪人は……。その未来は回避しなくてはならない。そうしなければ隼人はきっと空間の能力を暴走させて死に至るだろうと… 「いつか会えますよ、雪人君が軍人となった時には…」 「本当!!なら学校での授業頑張る!!」 雪人は軍官学校に入っており隼人の双子の弟という事は隠して生活している。未来は変わるのだろうか…菊はその事を心配していた…そして…2人のもう1つの秘密は絶対にバレてはいけないと…そんなある日の事だった…雪人が訓練中に血を吐いたと言う知らせを受けたのは… ー隼人sideー 「来てしまったか…こうしても未来は変わらなかったのか…」 「神子…?」 「柊の当主よ、俺は隼人ではない。俺は……雪人なんだ…」 「え…?」 「隼人は未来予知が出来るがその未来を見る分命を削っていた。血を吐いたのもその余興だろう…短命である隼人の影武者が俺だ。俺は時を操ったり時間遡行が出来る。隼人と同様その力は重要視される」 「何故…何故入れ替わりを…?」 「入れ替わりを希望したのは隼人だ。普通の人としての暮らしが最後にしてみたいと…そう言っていた…」 「その事は政府には…?」 「言わないでくれ、最後の最後まで普通の人として暮らさせてやりたい」 「兄思いなのですね…。わかりました」 その数日後、雪人…いや、隼人は幸せそうな顔で永遠の眠りについたらしい… 「さよなら、隼人。また逢う日まで…」 ー過去編 Finー
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