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2度目の世界
「ユキ、ユキ…?」
「ん……?ここは…?」
目を開けると以前より幼く、そして心配そうにこっちを見ている隼人の姿があった。そうか、やり直したのか……
「急に倒れるから心配したんだよ?大丈夫?」
「大丈夫だよ、ハヤ。ちょっと貧血気味だったみたい」
この隼人は10歳位だろうか?となると結構前になるな
「ユキ…?本当に大丈夫なの?いよいよ明日かぁ……」
神子就任が明日という事は戻ったのは俺達がすり替わる前日……もし、もし俺達がすり替わることが無ければ隼人は幸せに過ごしたんだろうか?
「……ハヤ、代償を抱えて生きるのは辛くないの?」
「今更何を言うの?……辛いよ、でも国のためになるなら、1人でも多くの人が僕の予知によって助かるなら、僕はこの能力を持って生まれ、命を対価とすることを誇りに思うんだ」
「ハヤ……」
知らなかった。いや、知るはずもなかった事だった。隼人が本音を出す事なんて一度も無かったんだから。俺は未来を変えたい、でも、でも…どうすればいいんだ……
「へんなユキ…本当に大丈夫…?」
「隼人、雪人は疲れているのでしょう。休ませてあげた方がいいですよ?」
「菊さん!はぁーい…」
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