お戯れ

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お戯れ

「お疲れ様です」 ただの清掃員のぼく。 「ん。」 その人は、たくさんの人に囲まれ、険しい顔をしたここのビルの社長。 「お疲れ様です、また明日もよろしくお願いします、桜庭さん」 「あぁお疲れ、高山くん」 清掃員のリーダーの桜庭さんに挨拶をし、このビルの裏口から出る。 「さてと」 おそらく既に連絡が入っているであろうと予測をしつつ、携帯の電源ボタンを押す。 【今日は遅くなる。どっちでもいい】 この"どっちでもいい"は家に行ってもいいし、自宅に帰宅してもいいという意味だ。 ぼくは立ち止まって思案する。 あの人の事だから、どっちにしても後で行くって意味なんだよな。 そう思い、【では、九条さんちに居ます。何か食べたいものありますか?】 と返事を打ち、帰宅を自宅とは反対の道へ歩いていく。
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