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お母さんからの電話は、いつもタイミングが悪いと思う。
その、日、もそうだったーーー。
朝の通勤時間。
満員電車の中に居る時にかかってきた。
どうせ大した事ないって、後から掛けようと思った。
結局、仕事に追われて電話をしたのは会社を出た夜だった。
『何ですぐかけ直せないの??カホちゃんが亡くなったのよ!明日、帰ってこれる?』
ーえ?
ーーこの前、電話したよ?
ーーー来週の休み、ランチ行こうって約束してたよ?
祥太も連れて来るって…。
カホちゃんは、実家の隣に住む10歳年上のお姉さん。
小さい頃からずっと仲良しだった。
学生結婚したカホちゃんは、ハタチで子供を産んだけど、ご主人は結婚してすぐ病気で亡くなってた。
今はカホちゃんの家に、子供の祥太と二人で住んでいた。
じゃあ、祥太はーーー?
一人になってしまった?
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