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その週の土曜日、午前中いっぱいかかって部屋を掃除した。 途中、祥太に手伝ってと言ったら出掛けるからと断ってきた…。 「えー??どこ行くの?何時に帰ってくる?」 「図書館。夕方には帰ってくるつもりだけど…。」 「えっ?図書館なんて行くの?何しに?」 「勉強。…なんか掃除の音が気になる…。」 それだけ言って、出掛けた。 ハラタツーーー! ちょっとくらい手伝ってくれてもいいのに! 祥太だって使ってるし、散らかしてる! リビングに勢いよく掃除機をかけながら、気付いた。 目の前にあるのは私の物ばかり。 祥太の物はほとんどリビングにない。 「あー…、祥太しっかりしすぎ…。私、ダメな姉じゃん。」 ため息が出て、汚部屋にしてしまう自分が嫌になったーーー。
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