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「あ、そうだ!…ねぇ、昨日のご飯さぁ、美味しくなかった?」
祥太と暮らし始めて、なるべく自炊してあげようと頑張ってるけど、やっぱり得意じゃない。
祥太も薄々気付いてるから、亮輔が来る時、あんな反応をしたんだと思う。
「…不味いとかじゃないよ?食べれるもん。」
「じゃあ、何が足りないと思う?」
ん〜…、と、祥太は合う言葉を探していた。
「センス!かな…?」
はっきりと言った。
「センス?…それって、生まれつき持ってないとダメじゃん!」
祥太は私を見て笑った。
「あはは…!紗奈はセンスないと思うよ?」
「じゃあ、祥太はセンスあるの?」
「母さんと居る時、やってたし。紗奈よりは出来ると思う!」
おじさんとおばさんが施設に居たから、二人暮らしって言ってたっけ。
「亮輔は何にも言わないのにー…。じゃあ今度、祥太が作って!あ、部活とかは?入るの?」
祥太は少し迷った顔をしながら、ご飯を口に入れた。
「…部活は…、中学はバスケしてたけど、高校はしないつもり…。」
「何でー?好きなら入ればいいのに!今だけだよ!高校生って。」
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