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告別式で学生服を着た祥太を見つけた。 カホちゃんには似ていなかったし、小柄だったせいか、まだ幼く見えた。 「祥太…、大丈夫?」 祥太はしっかりした切れ長の目で私を見ると頷いた。 「紗奈…。ありがと。来てくれて。」 呼び捨てが変わってなかった。 少しホッとした。 「…祥太?いつもカホちゃんに、怒られてたでしょ?サナ姉でしょって!」 祥太は口元を少し緩めて笑った。 カホちゃんは、事故だった。 仕事から帰宅途中、玉突き事故に遭いトラックに挟まれたと聞いた。 実感が湧かない。 電話を掛けたら元気な声で出てくれそう。 「紗奈?どうした〜?今度はいつ帰ってくるの?」 って。 私が掛けた電話に出て、最初の一言。 耳に残ってるーーー。
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