act.1 兄と妹

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「そのままの意味ですよ。あと……夏夜は僕が守りますんで。誰が夏夜を預かるとかそんな心配はしなくても大丈夫ですから」 笑いながら言う兄貴に、伯母達は決まりの悪そうな顔をする。 「夏夜。お腹が空いてないなら、お茶だけでも飲んどきなさい。僕が煎れてやるから」 そんな伯母達を無視して、兄貴が私の手を握り、控え室の方へと引っ張って行った。 兄貴に引っ張っられながら、先ほど兄貴が言っていたことを口にする。 「ねぇ。兄貴……大学を辞めるって……なんで……」 兄貴がピタッと足を止めた。 「言っとくが。大学を辞めるのは、夏夜のせいじゃないからな。父さんと母さんがいろいろ残してくれたとは言え、学費とか諸々考えたら、それが最良だって僕が判断したからだ。お前……自分が居なければとか、変なこと考えそうだから先に言っとく」 「だって……」 「だってじゃない」 「夢は……」 兄貴を見据えながら、続ける。 「兄貴、夢はどうするのよ!! 新聞記者に成りたいって言ってたじゃない!! その為に、大学で勉強する必要があるって……!!」 「夢は自分が諦めない限りいつでも叶えられる」 兄貴が笑う。
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