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「大学を卒業した先輩からさ。誘われたんだよ。俺の仕事を手伝えって」
「雑誌記者のアシスタント」━━兄貴が笑いながら、そう言った。
「アシスタントとして、修行してモノになれば記者として使ってくれる。小さい会社だけど……頑張れば、いつかきっと、な?」
「兄貴……」
「諦めない。場所はどこでも、諦めなければいい。だから、そんな顔するな……」
「兄貴……。ごめん……」
「だーかーらっ!! 謝るな!! お前のせいじゃないって言ったろ?」
兄貴が私の頭に手をやり、髪の毛をくしゃっとやった。
「大丈夫━━」
兄貴が笑う。
「僕が……お前を守るから……」
兄貴の手から温もりが伝わった━━
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