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「つまんないなぁ……」
「つまんないって……人で面白がらないでよ……」
苦笑すると、師範代が助け船を出してくれた。
「そうだぞ。人のプライベートにむやみに突っ込むのはよくないぞ?」
「うー……兄貴だって気になる癖に……」
「ま、まぁ……な。気になる……かな?」
「ちょっと、師範代!! しっかりして下さいよ!!」
そう、突っ込んだのと同時に、鞄の中に入れていたスマホが音をたてた。
「あー!! きっと、遼ちゃんだわ!! というわけで、私は退散します!! 師範代!! お疲れさまでした!!」
慌てて、上着を羽織り、鞄を持つ私に、師範代が明るい声で「おう」と返事した。
「ちょっとちょっと!! 先輩、帰っちゃうんですか!? 話はまだ終わってませんよ!?」
「ごめーん!! 続きはまた明日聞くから!!」
えふりちゃんに向かって、手を合わせるしぐさをして、そのまま走り出す。
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