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『よし。すぐに行くから……』
「遼ちゃん……」
言いかけた遼ちゃんの言葉を遮り━━
「ありがとう……。それに……わめき散らしてごめんなさい……」
『いいよ。俺だって同じ気持ちだし。ましてや、夏夜ちゃんにとって、大切な家族なんだし』
優しく話す遼ちゃんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
ツラいのは、遼ちゃんだって同じなのに。
兄貴と遼ちゃんは仕事仲間というだけではない。
お互いに、尊敬しあって……本当に仲の良い親友同士だったから……。
『とにかく、少しだけ待ってて。すぐに行くから』
「うん……」
それだけ言うと、遼ちゃんが通話を切った。
「……どうして。兄貴……」
残された私は、それだけ呟いてその場に座り込んだ━━。
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