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そんな遼を見ながら、夏夜が再び首を振った。
「なんでもない。それより……」
夏夜が遼を睨むようにして、見つめる。
「兄貴が見つかったら、蹴りをお見舞いしないとね」
「け、蹴りって……」
「それぐらいやらないと気がすまない!! 私と遼ちゃんに心配かけさせて……。あの、バカ兄貴!!」
夏夜の悪態に遼が苦笑する。
「夏夜ちゃんらしいと言えば、らしいんだけど……」
「だって……腹立つじゃん。それと、夏夜は無しって……」
「ほら、落ち着いて」
夏夜の言葉を遮るようにして、遼が夏夜の額に、先程買ったペットボトルを当てる。
「遼ちゃん、これ……」
「コーラー。船酔いに効くって、何かのブログで読んだの思い出したから」
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