370人が本棚に入れています
本棚に追加
ぼすっと身体が大きな何かに受け止められ━━
(え?)
「大丈夫か?」
ぼそりと低い声でそう言われて上を向くと、大柄な男が私の身体を腕一本で、抱き止めていた。
「わぁぁぁ!?」
思わず、男から飛びのき、周りが一瞬、私の方を見た。
「……大丈夫そうだな」
男がもう一度、ぼそりとそう言って、ハッとなる。
(助けて貰っといて叫ぶって……失礼なのでは?)
「すすすすみません!! びっくりして!! つい!!」
いや、この言い方もどうかすると失礼なのでは━━
おたおたする私を見て、男がふっと笑った━━ような気がした。
「大丈夫なら、良い」
それだけを言って、男はのさのさと大柄な身体を揺らすようにして、行ってしまった。
「姫ちゃん、大丈夫かい?」
最初のコメントを投稿しよう!