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夏夜が首を振り、遼の言葉を否定する。
「覚悟してるからって言いながら、遼ちゃんに無理を言って、本当なら私が遼ちゃんのことを気遣わないとダメなのに……。逆に私が遼ちゃんに頼って甘えてしまって……」
「頼っても甘えてもいい」
遼がきっぱりと言い切った。
「君が心配なんだ。危険なことに巻き込まれたらって……」
「遼ちゃん……」
「そんなことになったら、親友だった姫ちゃんに顔向けできないよ」
親友だった━━。
その言葉に、夏夜は伸ばしかけていた手を止める。
(そう……だよね━━)
遼ちゃんにとって、私は大切な親友の妹━━。
(ただ、それだけの存在……)
「どうしたの?」
動きの止まった夏夜を見て、遼が怪訝そうな顔をする。
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