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結唯の付き合っている相手、樹との出会いは大学時代のサークルでだった。研究一筋のいかにも理系男子、と言った風体の樹だったが、不思議と一緒にいると落ち着いた。
樹は新薬の開発を目指し、大学卒業後、大学院へと進学した。そして有名な教授について新薬の研究に明け暮れている。
一方結唯は、大学卒業後、地元の小学校で教師として勤めていた。
結唯は樹の結論から話す癖を理解し、樹もまた、結唯のことを愛しいと感じていて、周囲から見た2人はお似合いだった。
しかし、樹には結唯に言えない秘密があった。それは、予知夢を見る能力だった。
高校を卒業し、大学に入学した頃、その予知夢は落ち着いていた。幼い頃から繰り返し見、そして現実となっていた予知夢の数々。それが落ち着き、樹も普通と変わらない学生生活を送っていたのだった。
大学院に進学後、それは突然やってきた。
(夢……?)
余りにも突然だったため、樹はそれが意味することを一瞬分からずにいた。もしかしたら、ただの夢かもしれない。そう思い直す。
しかし、予知夢特有の同じ内容の夢を何度も見る日々が続き、樹は確信したのだった。
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