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中学時代を高校受験に捧げ、ひたすら勉強の暗黒に過ごした。
高校時代は、偏差値の高い生徒たちのなかで、劣等生として過ごした。
周囲の人と、もはや言葉が通じなくなってしまった……
と感じながら進学した二流の大学。
緑蔭の小さな講堂がある。
私はそこを避難所に選んだ。
そこに、とも子はいた。
「なんで喋らないの?」
とも子は訊ねた。
いくつか答えは浮かんだが、
「言葉は人を傷つけるから」
と答えてみた。
「言わなきゃ、分かんないよ‼」
とも子は激した。
暗い鉱脈のようだった、私の心。
差し込み始めた光に
深紅や瑠璃や金銀の鉱石たちが
透明な音をたてて輝き始めた。
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