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「忘れてた、掃除の途中だった。」
私は、4個のゴミ袋を持ち、小屋に向かった。
(いくら馬鹿力でも、さすがに重いよ…)
でも、次は体育なので、急いで向かった。
その様子を見ていた人物に気づかずに…
———…そして、時がたち、季節は秋となり文化祭シーズンを迎えていた。
まぁ、私は、男子たちと共にパシリにされているが…こんなことには慣れてしまった。
文化祭は明日。皆、忙しく準備に取り掛かっていた。
「はぁ…疲れた…少し休むk「ちょっとあんた、これ持って行って頂戴。あんたの馬鹿力で何とかなるでしょ」
(こいつらは馬鹿なのか?こんなに、あまり木材が持てると?…いや、持てるな…)
少しつらいが、体力を絞り出し持っていくことにした。
「あぁ、わかった。」
———…そして、その木材たちを持って小屋に向かっていると、足音と自分を呼ぶ声が聞こえた。
(はぁ、またなんか持たせられるのかな…)
そう思い、絶望しながら振り向くとそこには…
「瑠維君?」
「手伝うよ!」
(はぁ、これ見られてたら最悪のパターンだ。)
「大丈夫。私、馬鹿力だからこれくらい持てる。」
(自分でいって、なんか自分が虚しく思えてきた…)
そう言って、また歩き出すと…
「ちょっと待って!!」
私は少しイラつきながら振り向いた。
「天川さんは、女の子なんだからそんな無理しちゃだめだよ!!ほら、手、ケガしてる!」
そういうと、絆創膏をポケットから出して貼ってくれた。そして、私が抱えているものを全部持とうとした。
「全部持ってもらっちゃ悪いよ…」
「じゃあ、半分こ。それならいい?」
「…じゃあ、お願いします。」
「はい!」
そして、瑠維は荷物を持って私の少し前を歩いた。
きっと、私の顔はにやけているだろう。
絆創膏を張ってもらったからではない、荷物を持ってくれたからじゃない…
ただ…
『女の子』と言われたのがとても嬉しかった。
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