1人が本棚に入れています
本棚に追加
———…
小屋につき、荷物を下ろしたら、瑠維は「友達が待っているから」と行ってしまった。
「私、何も言ってない…今度会ったらお礼しよ」
そう思った私だったが、あまり機会に恵まれず、4か月が過ぎてしまった。
———…
2月14日
その日は今でもはっきり思い出せる。人の記憶って嫌なことばかり覚えている。
そう、瑠維君が…
……転校するのだ…
それも、近くではなく、アメリカへ…
それを聞いたクラスの女子の中には泣いている人もいた。おそらく、バレンタインのチョコを渡し、告白するつもりなのだったのだろう。
今日中には出発するようだ。
私たちは慌てて、さよなら会の準備をした。
また、さよなら会が始まっても、瑠維君は女子たちに質問攻めになってしまった。
「どこいくの?」や、「メアド教えて?」など…
私にはあの中に入る自身は無い。
そして、さよなら会はお開きとなり、瑠維君は、アメリカへ行ってしまった。
私は、学校の裏にある人気の少ない桜の木の下で、泣いた。
一緒に卒業したかったからではない。アメリカに行ってしまって会えないからではない。ただ…
———…お礼が言いたかった…
ただ一言、「ありがとう」って…
きっと本人は何のことだか分からないと思うけど、あなたがくれた魔法の言葉があったから、私は、頑張れた。
だから、私は、その桜の木に言った。
「またどこかで会えますように…」
と…
最初のコメントを投稿しよう!