第1章 誘いの電話は突然に

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『そうなのか……。私も行っていいのかな?』 『ああ、勿論。お前も誘ってくれって言われたんだ。ラーメン屋の場所はここから遠くないんだが、電車だと行き難いらしくてな。俺はそこまで車を出して、夏也には記事を書いて貰えないかってね』 (なるほど……)  何故我々二人なのかと思ったが、宵山には実家の車が有るし、私は車を持っていないが、文章に関しては湊川君に何度か作品も読んで貰っていた。  全くの素人に頼むよりも取材の文章がマシなものになると思ってくれたのかもしれない。  勿論、原稿はプロの人間が校正してくれるのだろうが、明後日締切ではあまり時間も取れないだろう。  私と宵山は大学時代の友人で、後輩の湊川君は我々がこの辺りの学校で教師をしていると知っていたから、取材先も近いし丁度良いと思ったのだろう。 (後輩に体良く使われているとも言えるけど……)
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