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されど占いの日々
たとえば占いの本を買って。
その本を書いた人はテレビや雑誌で良く当たると評判で。だからわたしも良き日に良き方向に進みたいと思って熟読している最中に、とてつもなく重要な懸案事項を見つけた場合。
わたしはどのように対処すれば良いのか。眉と眉を寄せて深いシワを作っても、解決しそうになくて、困る。
これから先の未来がどうこうというものではない。もっと根本的な重要案件だ。
つまり。
今年の運勢、ズタボロじゃないの!
未来よりも過去が良かったなんて。
そんなこと知りたくなかった!
そのようなレベルの話だ。
──具体的に説明しよう。
わたしが買った本は、十二年周期二回分の運勢が棒グラフ表記されていた。つまり二十四年間分が載っている。
今年をゼロ年として、過去十一年、未来十二年分の運勢が棒グラフで上がり下がりしている。
過去の自分が気づいていなかった問題などを提起し、未来に向けて解決策を見出していこうとするのが主旨らしい。
生年月日の合計と、本の後ろに載っている月と日で見る縦横が交差した基本数を掛けて、出た数で所属する花が決まる。そのページをめくる。
わたしはタンポポだった。
愛らしいというか、道端の逞しい雑草というか。非常に微妙だ。
そんなタンポポの棒グラフが問題だった。こんな占いアリか! 憤然とした。
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