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「うわ、やっぱり上手だね。」
隣に座る彼女がわたしのキャンバスを覗きながら言う。そうかなと返すと色使いがいいよねーと言う彼女だけど、彼女のキャンバスもきれいな色で染められていた。
「あ、てかできてんじゃん!先生呼んじゃおっと。」
「え、ちょ、いいよやめ、」
「せんせー!こっちこっち!できたから見て!」
気ままな彼女は大きな声で先生を呼ぶ。振り向いた先生はふにゃりと笑いながらこちらに近づいてきた。
「お、できてんじゃん。うまいうまい、さすが」
わたしの絵を見て先生は言う。
あーどうしてそんなにもかわいいの、先生。
木曜日の5.6限、わたしの大好きな美術の時間。
大好きな人に会える日。
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