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「美波…傘は?」
シュンくんが私の名前を呼んだ。
名前を呼ばれるのは何ヵ月ぶりだろう?
心臓が痛いくらいバグバグと音を放つ。
「傘持ってない…これくらいなら自転車で帰ろうかな…」
1歩踏み出した時、後ろからシュンくんに手を掴まれた。
指がひんやりしている、その手は大きく私の手を包んでいるようだった。
掴まれた手をどうしたらいいのか、わからずシュンくんを見る。
「自転車だと結構濡れるよ、一緒に傘に入っていかない?」
シュンくんは私の返事を聞く前に手を掴んだまま歩きだした。
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