序章〜異世界に召喚されし勇者たち《1話〜白き英雄の旅立ち》【挿絵】

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序章〜異世界に召喚されし勇者たち《1話〜白き英雄の旅立ち》【挿絵】

 ……――祭壇に描かれた魔法陣から、白く眩い光が辺り一面に放たれる。その光と共に、祭壇の上に一人の男性が現れた。  そうこの男性がハクリュウ(白城 光)である。  そして女性の声と共にハクリュウは目覚めた。 「……起きて……ください」  そう言われ声がする方へと視線を向ける。すると、そこにはエルフの女性がいた。 (……歳は、見た目だけなら二十代ぐらいかな?)  そう思いながらみている。 「やっと、お目覚めになられましたね」  エルフの女性がそう言うとハクリュウは、起き上がり辺りを見渡した。 (ん?そういえば、ここはどこだ? 俺はなんで、こんな所で寝ている……)  ハクリュウが首を傾げ不思議そうにしていると、エルフの女性は再び話しかける。 「良かったぁ〜。召喚が成功したのですね。お身体などは大丈夫でしょうか?」  エルフの女性にそう言われハクリュウは、自分の姿と目の前のチラチラしているゲーム時のコマンドやステータス画面が気になりだした。 (……? えっと、俺はいったい……それになんで、ゲームのハンネのハクリュウになっている。てか、ここはどこだ! それに、なんかゲーム的な感じになってるし……)  ハクリュウは色々と考えたが、いまいち状況がのみ込めない。 「いきなり召喚され、困惑なされているのですね。……私は召喚魔導師のシエルと申します。そして貴方さまを、異世界から召喚しました」  ハクリュウはそう言われ一瞬、頭の中が真っ白になる。そして我に返り……。 「えぇぇえええー!?」  ハクリュウは思わず叫んでしまった。 「いきなり召喚されたと言われても、驚きますよね。でも紛れもなく、私が召喚しました。なんのため……それは、私たちの国を救って頂きたいからなのです」  【挿絵:もけもけこけこ様作】 1c50f86e-c251-4568-88be-c2a43f0c3b7e 「ちょ、ちょっと待て! 俺がこの国を救うって? えっと……」 「そうです。そのために召喚しました。白き英雄である貴方さまを」 「……白き英雄って、俺にそんな力があるのか?」  そう聞かれシエルは微笑んだ。 「はい、勿論あるはずです」  そう言われハクリュウは少し照れた。 「俺にそんな力があるなら、試したいとは思う。だけど、しかしな〜……」 「あっ! そうでした。お名前を聞くのを忘れていました」 「ん? あっ、ごめん。自己紹介がまだだったな。俺は、えっと……ハクリュウ。まだ納得はいかないけど、断る理由もないし……という事で、よろしくな……シエル!」  するとシエルは今まで気をはっていたのか、急に力が抜けたように地面に座り込んだ。 「ありがとうございます。ハクリュウ様に、断られたらどうしようかと思っていました」  そう言うとシエルは、視線をハクリュウに向ける。 「それでは、今から私たちの国であるホワイトガーデンに、そして領主様の下に参りましょう」  そしてシエルは、ハクリュウの目の前に手を差し出した。  ハクリュウは差し出されたシエルの手を取る。 「ああ、行こうか!!」  そう言い、シエルと神殿の外へ出た。 (まだ、ちゃんと納得できてないけど。今は、とりあえず様子をみて行動。そして、納得はそのあとからすればいい)  ハクリュウはそう思いながら辺りの景色をみる。 (それに、この国の領主に会ってみないとな。……ただ、なんでゲームのキャラで召喚されてるんだ? その辺も理解できてない)  そしてハクリュウは、色々と頭の中で整理していた。 (まぁ、考えてても仕方ない。それにレベルもステータスもそのままで召喚されてるし、今のところは良しとしないとかな)  ハクリュウはそう思いながら、フウーっと息を吐く。 「どうかなさいましたか?」 「ああ、なんでもない。それよりも行こう!」  そう言うとシエルは頷いた。そしてハクリュウ達は、この白き神殿の祭壇からホワイトガーデンへと向かい歩き出す。  ――そしてここから、ハクリュウの新たな人生と旅は始まる――
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