第一幕……序章〜異世界に召喚されし勇者たち《0話〜Prologue〜異世界への旅立ち》【挿絵】

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第一幕……序章〜異世界に召喚されし勇者たち《0話〜Prologue〜異世界への旅立ち》【挿絵】

「いよいよか……」  ハクリュウはそう言い、目の前にあるだろう結界を見据える。  白に近い水色の短い髪だが、この世界に着た時よりも長くなっていた。  結界があるであろう場所をみながらハクリュウは考えている。この封印を解けば、もう後戻りはできないと思った。 「そうだね。やっとここまで辿り着けた」  黒っぽい紫の髪をかき上げるとクロノアは、目を潤ませながら身につけている黒魔石のペンダントをみる。 「この結界の封印を解けば、アイツらの城が現れる。そうなれば即、戦闘になるだろう」  毛先の方が白で青い髪の男性は、結界があるであろう場所をみた。その後、ハクリュウへと視線を向ける。 「この結界の中がどうなっているのか、知ってるんですよね」 「ああ、勿論だ。何度も……嫌というほど、ここに来ているからな」  そう言いながら、つらそうな表情で遠くをみつめた。 (不安にゃんだけど。大丈夫だよね? それに、私も選ばれた勇者の一人にゃんだし……)  ピンクのツインテールの髪をいじりながらノエルは、結界が張られているだろう場所をみた。  そうここは、とある城が結界により封印されている場所。  そしてここには、他にも数十名の者たちが集結していた。  倒すべき敵が居る、この場所へと――  ☆★☆★☆ 「さて、今日も我がギルドに帰るかなっと……」  そう言い椅子に座り、パソコンのスイッチを入れる。  この男性は白城光(しろき ひかる)、二十歳。普通の大学生だ。  青みがかった長い黒髪を後ろで縛っている。容姿は……普通に優しい顔だちだ。  そして光は、とあるMMORPGにハマっていた。そのゲーム内では、ハクリュウというハンドルネームでプレイしいて、最強ギルドのマスターだ。  そんな彼は、みんなから頼られぐらい信用がある。だがその一方では、敵対する者たちから恐れられていた。  そして今日もここから、ゲーム内での一日が始まる。 (今日は、どのクエストをやろう)  そう思いながら光は、いつものようにログインをした。その瞬間、急にグラグラと建物が揺れだす。その揺れは激しくなり、目の眩むような光がパソコンの画面から放たれる。  その光は揺れと共に、段々と大きくなっていく。そしてその光が、(ひかる)を包んだ。  その時、光は微かに女性の声を聞いたような気がした。だが、それを確認する余裕もないまま意識を失っていく……。 1d1877cb-5d05-4317-b9de-e5427bdd9cbe     ――場所は移り、とある町のマンション――   同じ頃、一人の社会人の女性がパソコンのスイッチを入れようとしていた。 (今日もいつも通りっと。さてと、みんなどうしてるかな……)  この女性は黒城麻里亜(くろき まりあ)、二十二歳。  茶髪のミディアムヘアで、ちょいキツめの容姿だ。  このパソコンのスイッチを入れ、このゲームにログインすればかなりのレベル。そして、最強とまで言われたギルドのマスターだ。  ハンドルネームは、クロノア・マリース・ノギア。麻里亜はなんでこんな長い名前にしたのかと、今になって後悔している。  だがそうは思っても、この名前を変えるわけにはいかない。そうこの名前に意味があるのだ。  ――その理由は、あとで語られる――  そして、ギルメンやその他の冒険者たちから恐れられほどに強い。  いつも通りコーヒーを飲み一息つく。そして大好きなクッキーをつまみながら、ゲームにログインした。  その時、部屋が急に大きく揺れだす。 (これって、何が起きてるの?)  するとパソコンの画面が、いきなり発光した。それと同時に、光に覆われる。  そして、どこかに飛ばされるような感覚に襲われた。  その後、徐々に粒子となりパソコンに吸い込まれる。そして麻里亜は、スッと消えたと同時に意識がなくなった。
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