現実世界で会えたなら。

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ー授業中ー でも…と、わたしは考え込んだ。 だって、いくらなんでもおかしい。 王子様の夢をたてつづけに見続けているなんて。見たくないわけではないの。できることならずっと見ていたい。 なんで、わたし、こんなステキな夢をずっと見続けているんだろう? だけど。でも。まあ、いいのかな?わたしのただの強い願望かもしれないし。でも、不思議な夢だなぁ。だって、王子様の、感触もぬくもりも、妙にリアルなんだもん。 まあ、いっか!わたしは考えるのをやめて、今は、前向きに考えよう!と決めた。 大丈夫!わたしは今、王子様に会えるだけで幸せだから! と、おもいきり顔をあげた。神様。わたし、頑張るよ。 ああ、もしも王子様と、現実世界で会えたなら。もうちょっと近づくこと出来るかな。 と、そのときバチッと目があってしまった先生が_。 「_え~っと~。この問題を。おっ!元気がいいな、七瀬。この問題。お願いしようかな。」 …やってしまった。 「はあ~。」 大きなため息をつきながら、ポーン!と、道ばたの石ころを蹴飛ばす。 帰り道。重いカバンを必死に背負って、今日の出来事を振り返ってみる。とんだとばっちりだった。 先生に当てられて、「分かりません。」と、正直に答えると笑われてしまった。本当にとんだとばっちりだ。もう、恥ずかしくて死にそう。 「ああ~!あ~!」 恥ずかしさを思い出して、ひとりでもがく。 そのとき_ 目の前に影が立ち塞がったの。
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